今更かよ!というツッコミは甘んじでお受けいたしますが、あけましてよろしくお願いします。(造語
さて、本日はちょっと言及したい記事がありましたので、言及してみます。
新しい時代の教育には、時間と空間を浪費するいわゆる『学校』の役割を下げていくことです。学校という機能を限定し縮小していくことです。
すでに各国ではネット利用は始まっています。教室にアイフォンやブラックベリー、ネットブックを持ち込んで芋ずる式に知識をポストしているような勉強の仕方をしているところと、未だに黒板をノートに写すような勉強をしているところの差は圧倒的に開くと思います。情報通信網を活用できないのは誰の責任なのでしょうか。
一文目は本文から、二文目はコメント欄の発言から引用してきたのですが、この方の持論を一文でまとめるとこうなります。
「今求められているのは情報活用能力なんだから、限りある時間を、学校なんて言う無駄なシステムではなく、ネットを活用させることによって自主的に学ばせよう。」
すごく・・・先進的なご意見です・・・。
では逆に問いを立てますが、わざわざ無駄なことを学校で一生懸命している理由とは、なんでしょう。
そこを考えずして、今の学校での教育は無駄だ!と述べてしまうのは強引ですよね。
さて、先延ばしにしてしまいましたが、例えば「黒板をノートに写す作業」。これは無駄なのでしょうか。
小学生のうちに、これをやっておかないとどうなるのか。
視写というのは、何よりも優先して身につけるべきスキルの一つです。
見たまま書く。これができないと、自分の思ったことを書くにも、お手本がありません。
黒板の文字を写すと言うことは、ノートを書くお手本としての黒板を転記することにより、自分がノートに物事をまとめる時の練習をしているといえます。ノートがPCになっても同じです。自分の思いをまとめる際、どのような使い方をすべきなのか。まずは黒板を移すことによってその基礎を学びます。
新学期に、学校からノートを渡された経験はありませんか?
あれは、黒板を書く際の基準となるノートです。というのも、マス目であったり、行数であったり、そういったものを考えながら黒板に教師は書くからです。特に、算数なんかは図形の作図をどのように行うか、マス目を利用した作図の指示を考えます。
実はそれ以前に、教師は自分のノートに自分でお手本となるノートを書いています。それを黒板に表現します。
これはインターネットを、いや、PCを利用するとできないことです。
先ず持って1年生の段階ではひらがなもあやしい状態です。語彙もありません。もちろんローマ字も知りません。
そのような児童が、インターネットを使い、自分で情報を引き出し、それを取捨選択し、自分で議論をし、自分でまとめ上げることができるでしょうか。無理でしょうね。
一つ事例を挙げておきます。
総合の学習のことです。
総合はかなりかみ砕いて言えば、調べ学習です。本だけでなくインターネットも使います。
どんな現状が起きるかと言えば、こうです。
「インターネット上のデータを片っ端から印刷して、そのまま模造紙に書き写し!」
4年生でこれです。何でそうなるか。それは、情報を探す前段階としての、情報の欲求が無いからです。
何を知りたいのかが分からない。何を調べるべきか分からない。何を知ることによって自分の知的な欲求が満たされるのかが分からない。
そのヒントを、体系的にかつかみ砕いて、組織的に教えるのが学校です。
なので、その目標を達成するための手段として、インターネットや各種ICT技術を使うのは大ありです。
ただ、何でもかんでもインターネットにはなりません。アナログとデジタルの良さをうまくミックスさせていくのがこれからの教育でしょう。図工の作品が全部デジタルデータとか無理でしょうねw
また、人間形成についてもサポートする。集団生活、自己実現、何でもござれ。これはさすがにネットでは無理!
そして、何より難しいのは、その子を評価することです。
その子の発達段階に応じた評価、負の評価も正の評価も、ずっと見守ってあげられる大人が必要です。
インターネット上にそんな仕組みはありますか?数値化、文字にされたデータ以外で、その子を見てあげられますか?
何でもかんでもインターネット、パソコンを使えばいいというものではありません。有効であることは認めますが、だからといって闇雲に使って効果が期待できるほど、今のインターネットは知識を得る媒体として成立していませんし、子どもの成長に必要な要素をすべて満たしているかどうかについては、疑問が残ります。
よって、Clearなりの結論はこうです。
インターネットを使った学習は、体系的に学べるように意図的に教師が仕組まない限りうまく成立しない。
やはり、教師というのはこういうところでも必要になってくるのではないでしょうか。学校の役割を下げるなんて言うのは無理な話です。今後ますます、学校教育を請け負う教師の負担は増加しますよ。あぁ恐ろしい!
new entry: 小学生のうちに身につけるべきスキルとは何か。 – あと あけましておめでとうございます http://tinyurl.com/ycbbxe9