そういえば掛け算にはそんなルールが あったな より引用
これを受け、上記エントリーではものすごい議論の嵐。
そして下のエントリーでもかなり丁寧に解説されているにもかかわらず、議論の嵐。
黄金原本更新, 【最短理解】なぜ5×3ではなく3×5なのか – ワタタツの日記!(2010-11-13)
これは、おそらくいろんなことを混同したり、お互いの立場を全く理解せずに議論しているからだと思ったので、ゆっくり理解と題してそれを紐解いていこうと思います。
平成23年12月26日追記
今年度2学年の担任ですが、以下ちょっと変わってます。「ますます」!「一つ分×いくつ分」を意識させるように教科書が改訂されました.
「一つ分×いくつ分」をなんだかんだありますが延々と20時間以上やります。これ、教科書会社からの挑戦状なのでしょうか。
東京書籍のページに詳しいことが載っています。
さて、今年度のスタンスですが、「立式は思考判断表現の評価」となるところが一応の根拠です。
一つ分を分かっていないと、この問題できないんです。
5×3=5×2+□
なので、「一つ分を理解しているか」ということを把握するために、上のような立式の問題を出している訳です。(他の方法で確認しろよ、と言われたらそうですし、事実アレイ図を○で囲んで一つ分を確認するテストもあります。)
「技能」の評価をしたい場合はひっくり返そうが足し算に戻そうが私は○にします。
「一つ分がわかり、それがいくつあるかという考え方をかけ算として適用できる」かどうかを見るための立式です。
よって、交換法則の適用といったものと、この採点は無関係なのです。確かに算数教育の弊害と言われればそうかも知れません。
しかしながら、全教科書会社、および全ての業者テスト、学力テスト、進研ゼミなどなど、全部これで統一されているので、私だけ一人で反旗を翻してもどうなるもんでもなく、むしろ「お前が教えた児童はかけ算の順番も分かってないのか?あぁん?」となるのが目に見えています。
そんな感じで今年度はやりました。
2010年11月16日…×にする理由と△ではダメな理由、テスト問題をもう少し追加しました。
とりあえずお約束。
- 教職3年目の若造です。間違ってたら謝りますが、自分なりの解釈はこれです。
- 指導要領自体の批判になってしまうと埒があかないのでそこはやりません。
- 数学的な話ではなく、初等教育はどうあるのかについて述べています。
論点
- 「皿が5皿ある。1つのお皿に3つずつりんごが載っている。全部でいくつか。」という問いに対して、5×3と式を立てるのは誤りか
用語の確認
まずは根本的な所から確認していきましょう。
式とは…
式の働きについては算数科学習指導要領解説に以下のように記載があります。(強調は私)
式には,次のような働きがある。
(ア) 事柄や関係を簡潔,明瞭,的確に,また,一般的に表すことができる。
(イ) 式の表す具体的な意味を離れて,形式的に処理することができる。
(ウ) 式から具体的な事柄や関係を読み取ったり,より正確に考察したりすることができる。
(エ) 自分の思考過程を表現することができ,それを互いに的確に伝え合うことができる。
次に,式の読み方として,次のような場合がある。
(ア)式からそれに対応する具体的な場面を読む。
(イ)式の表す事柄や関係を一般化して読む。
(ウ)式に当てはまる数の範囲を,例えば,整数から小数へと拡張して,発展的に読む。
(エ)式から問題解決などにおける思考過程を読む。
(オ)数直線などのモデルと対応させて式を読む。
さらに、式自体についても以下のように記載があります。
また,「式」は,算数の言葉ともいわれるように,事柄やその関係などを正確に分かりやすく表現したり,理解したりする際に重要な働きをするものである。また,式を読み取ったり,言葉や図と関連付けて用いたりすることも大切である。
子どもたちに伝えるとしたらこんな感じです。
「式っていうのは、算数では言葉なんだよ。思っていることや考えていることを式に表して伝えることができるんだ。だから、式から考え方が分かったり、式にしようとすることで考えが深まったりするんだね。」
ということで、式については以上です。他の用語は定義が必要なときにまた確認していきましょう。
あとは乗法について指導要領解説にあたってみましょう。
ア乗法が用いられる場合とその意味
乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。つまり,同じ数を何回も加える加法,すなわち累加の簡潔な表現として乗法による表現が用いられることになる。また,累加としての乗法の意味は,幾つ分といったのを何倍とみて,一つの大きさの何倍かに当たる大きさを求めることであるといえる。
この乗法九九には,単に表現として簡潔性があるばかりでなく,我が国で古くから伝統的に受け継がれている乗法九九の唱え方を記憶することによって,その結果を容易に求めることができるという特徴がある。
以下の段落については「的外れも甚だしい」とのご意見を多数頂戴しており、自分も「確かにそうだな」と感じましたので削除します。
また、順序については指導要領解説にもはっきりとした形(乗法の段に明確な形)では表されていないと思いました。
コメントで補足説明をいただいておりますので、併せてお読みください。適当なこといってすみませんでした。
順序については、ここにばっちり出てます。
また,1 0×4 は,10 が4つあることから,40になると分かる。
という訳で、togetterでの文科省の人うんたらは全くの嘘か文科省の人がおかしいかどっちかです。文科省から出ている解説に載っているわけですから。
指導過程について
では、実際のかけ算の習得場面における指導過程はどうなっているのでしょうか。
1時間目…同数累加について
具体的な場面を提示します。教科書にはパーティーとか、そんなのが出ていて、お皿にケーキが4つずつ載ってたりします。たとえばこんな感じ。
※すごくうまく授業が進んだ場合です。こんな見事に進むことは実際無いけれども。
指導者「ケーキの数はいくつになるでしょうか?」
子ども「12個!」
指導者「どんな式になったのかな?」(ここで既習の足し算が使えることを暗に意図する)
子ども「えっと、4+4+4だよ!」
指導者「おぉ。なるほど!すごいね!みんな足し算バッチリだね!じゃあ、これはどう?リンゴの数はどうかな?」
子ども「えっと、3+3+3+3+3だから…うんと、15個!」
指導者「そうだね、15個だったね。…いま、二つの式が出てきたけれども、何か気づいたことはありませんか?」
子ども「同じ数をずっと足し算しています。」
指導者「よく気づいたね。えらい!今までみんなは足し算や引き算をやってきたけれども、実はこんなときは、新しい計算を使うことができるんだよ。」
子ども「知ってる!かけ算!(塾なんかに行ってる子が言っちゃう。)」
指導者「うわぁ、先に言われちゃったね。そう、かけ算って言うんだ。一緒に言ってみよう。せーの。かけ算。」
子ども「「かけ算!」」
まぁすごく変な空間になってますけど、こんな感じです。同数累加を皮切りに導入していきます。1時間目の板書はこんな感じ。
・ケーキの数 … 4+4+4 4を3回足し算した → 4×3
・りんごの数 … 3+3+3+3+3 3を5回足し算した → 3×5
×を使ってする計算をかけ算 という。 2×1 (←×記号の書き順説明。左下に向かって1画目。)
これをおはじきを使って再度確かめます。
2時間目…かけ算の式の意味について
面倒なので掛け合いはパスしますが、以下のことを学びます。
- 倍という概念。
- (かけられる数)×(かける数)=ぜんぶの数
- (一つ分)×(いくつ分(何倍か))=ぜんぶの数
ここで例の言葉の式が出てきます。(一つ分)×(いくつ分)=ぜんぶの数 というやつです。
これは、こういうことです。
式という算数の言葉では、かけられる数に来ているほうを一つ分、かける数にきている方をいくつ分、と考えているよ、という意味を表すことになる。
また、倍の概念をここでおさえます。3×2なら3の2倍、3×3なら3の3倍だね、という感じです。(日常で倍という言葉は使っているので難なく浸透します。)
ここでは、一つ分は何か、いくつ分か、というとらえ方について、具体物を操作しながら、また写真を見ながら体得していきます。
何時間か…かけ算九九(たいてい2とか5の段から。)
ひたすらやります。暗記させます。宿題に出します。カード作ります。
九九を一通りやったあと…かけ算九九表を使っての交換法則の発見
全部の段が終わると、かけ算九九表が埋まってます。
「答えが12になるところに○をつけましょう」
というと、3×4、4×3、2×6、6×2の答えに○がつきます。そうすると子どもたちは気づいてくれます。
「あれ。ひっくり返しても答えが一緒だよ!」
おめでとう。交換法則の発見です。ただし、一点だけきちんとおさえます。
びっくり返しても同じなのは答えだね。でも、式の表す意味は変わってくるよね。
次…文章題や問題作成に取り組む
文章題でひたすら「一つ分×いくつ分」を見つけさせます。
さらには、2×6という式になるように問題を作れ、という問題に取り組ませます。(これも逆にしたらNG)
更に次…アレイ図を用いて、交換法則について更に理解を深めたり、様々な式の表現を味わう
児童にこんなのを見せます。
●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●
横列の●の数を見ると、九九の範疇を超えてます。
そこで、○で囲んで一つ分をつくってごらん、と指示します。
そうすると、こんな風に分けます。
●●●●●●●● ●●●
●●●●●●●● ●●●
●●●●●●●● ●●●
●●●●●●●● ●●●
●●●●●●●● ●●●
8×5 + 3×5(実際は一つ分の8や3を○で囲んでいる)
もしくは改行の関係で縦列では捉えづらいのですが、
5×8+5×3(5を○で囲んでいる)でもOKです。
アレイ図では、何を一つ分として考えたかは完全に自由です。
ただ、それは式の意味が
一つ分 × いくつ分 で統一されているからであり、この統一が崩れていると、
いくら式をみんなで見せ合ったところで意味を読み取ることができません。
いわば、式での一つ分×いくつ分は、式という記号化されたものから、具体へとデコードするための規則を定めていると言っても良いと思います。
ここまでおさえてのテスト
一般的な業者のテストですと、まずこんな問題からはじまります。
下からことばを選んで、かけ算の式を説明しましょう。
( ) × ( )= 全部の数
語群(こんな風には書いていませんが)
いくつ分、一つの数
ここで、式を立てるという指導が浸透しているかを確認できます。
次にこんな問題です。
絵を見て、かけ算の式を作りましょう。
【3個ずつ連結されているプリンが、4パックある絵】
( ) × ( )
【4人ずつ乗れる車が、5台ある絵】
( ) × ( )
計算しましょう
2×8 =
7×3=
5×7=
そして文章題に入ります。
3 文章を読んで、かけ算の式になおしましょう。答えも書きましょう。
(1) 1つの ふくろに あめが 5こずつ 入っています。そのふくろが 4ふくろ あります。あめは ぜんぶで 何こ あるでしょう。
ポイントは、1(つ)の~に~ずつ と言う表現が「一つ分」に該当するということです。
そしてこの問題です。
残念ながらこれはバツをつけざるを得ません。計算結果としての答えは同じでも、式の表す意味が違うからです。
一時間目に戻ってください。
問題では「りんごの数」を聞いていますので、りんごに着目します。
りんごをおはじきに変えて、具体物として操作結果が以下です。
◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎
このおはじきの並べ方を見たとき、3+3+3+3+3 とは表せますが、5+5+5とは表すことはないでしょう。かけ算が同数累加からスタートした以上、(小2の段階では)ここに戻れないとダメなのです。
「何を言うんだ、5だって、一つ分じゃないか。ほら、一つずつ皿にのせた場合、5つ載せると一巡する」
「皿に1つずつりんごが載っている状態」を1つ分と考えることは現実的ではありません。5皿に1つずつ載った状態を一つ分と考え、それが3つ分だと考えるなら、(皿5皿+りんご5個)×3=皿15皿、りんご15個となります。
「違うって。皿に1つずつ、5皿分載せる作業を1つ分とするんだ。」
そしたら、1×3になりませんか?だって作業は回数であって、個数ではないですから。
1作業×3回=3回作業したという式になるでしょう。
「一回の作業で5こ扱える。それを3回行っているのだ。」
なるほど。それは一理あります。しかしながら、これを○としてしまうと、3×5も疑ってかからないといけない。
非常に難しい問題となります。そして、教科書では、これは誤答として扱っているのです。
東京書籍の教師用指導書、2学年下、P16から引用します。
そして、こんな問題に取り組みます。(同じくP17より引用)
どうでしょうか。ここまで「一つ分」を意識させ、具体物操作で確かめさせています。
なので、5×3が出てくると言うことは、この指導が意味をなしていないことになります。
言い換えると、5×3の概念は具体物で操作した結果から導くことができないのです。
◎◎◎◎◎ 1回目
◎◎◎◎◎ 2回目
◎◎◎◎◎ 3回目
これは確かに5×3になりますが、「1皿にりんごが3個のっています。」を表していません。
このように具体物を操作した時、「1つの皿に”既に”3つずつ載っている」という題意から外れます。
問題文ではりんごは既に皿の上ですので、それを一度集めて、再配分しない限り、5×3は成り立ちません。
この授業の評価規準から勘案しても5×3を正答とすることはできないのです。(授業のねらいと外れている)
極論するとこれは式としては○です。
3×5=20
これは完全に○です。なぜなら、「しき」の問題はあくまでも考え方を問うているのであり、計算結果は「こたえ」が聞いています。なのでこれは○です。
多分ここが思いっきり論点がかみ合ってないところでしょう。もう一度まとめます。
式を聞かれたときは、式から読み取れる「考え方」が「指導内容と」合致しているかを聞いているのであって、正しい計算結果が出るように式を立てたかどうかを聞いているのではありません。
いくら数学的や考え方が合っていたとしても、指導したことと違うことを書いているので×をつけざるを得ないのです。
運転免許の卒業試験で、いきなりアクセルを左で踏んで完璧に走ったような感じですか。答えとしてはあってるけれども、教えたことと違う。
よって○を簡単につけることはできません。
では×をつけた後のフォローはどうするのか
簡単です。皆さんもやっていたでしょう。「返ってきたテストは必ず100点にすること!」と伝えます。
振り返りの時間を与え、質問が来たら答えます。
今回のように、この単元で重要なところだったり、ミスが多かったところに関しては教師が全体指導します。
また、今回の場合私なら正しい式(3×5=15)を書くのではなく、「一つ分」×「いくつ分」と赤ペンを入れていると思います。要は×の理由を明らかにし、正答へと導くことが大事です。
検定や合否が出るテストではなく、学校のテストは到達度の評価なのです。到達していなかったら、到達させればいい、ということになります。
なぜ△ではダメなのか
これは少し難しいです。こればかりは教員の考え方に依ると思いますが、私は△は「国語以外の教科での誤字脱字」に限ってつけています(重要語句を除く)。子どもは、△が付くと、「なぜ△なんだ?」と思うよりは、
「あ~△か。まぁ合ってるんだろう。」と思うことが多いのです。そして100点にして~と言っても、隣の人から適当に答えだけ写して終わります。△は、子どもたちの中で振り返りのきっかけとはなってくれないのです。
さて、最後に、「逆でもいいんだよ。合ってれば。一つ分とかいちいち考えさせるなんて無駄だよ。」と考えるとどうなるかについて述べておきましょう。
逆にしてもいいとすることの弊害
- 倍の概念が育ちません
- 割り算の時にも引っかかりが出ます
- 計算に小数が入ってきたときにつまずきます
- 平均、単位量あたりの大きさでつまずきます
倍の概念が育たないことについて
答えさえ合っていれば良いなら、出てきた数字をかけ算するだけになるでしょう。「一つ分」とか「いくつ分、何倍か」なんてことは考えません。
割り算の時にひっかかることについて
割り算には二つの意味があります。両方ともかけ算の式で表すことができます。□×3=15と、5×□=15の二通りです。
前者はたとえば「15個の飴を3人に配ると何個ずつ分けられるでしょう。」後者は「15個の飴をひとりに5個ずつ配ると何人に分けられるでしょう。」という問題となります。
前者を等分除、後者を包含除といいます。交換法則を用いてしまうと同じ式で表すことができますが、子どもたちにとっては具体的な場面は全く異なるものです。
よって、ここできちんとかけ算の式に直して考えることができないとひっかかります。
小数でひっかかることについて
単位量ともつながっていますが、こんな問題でつまずきます。
0.8mの重さが2.4kgの鉄の棒があります。この棒1mの重さは何kgでしょう。
1つあたりの量や倍の概念が育っていると、1mの重さ…あれ、求めるのは全体の量じゃなくって、一つあたりの量、1単位量だ。となりますが、それが十分でないとこう計算します。
0.8×2.4= 1.92 答え 1.92kg
基準となる量が、求める量よりも小さい(0.8は1よりも小さい)→よし、じゃあこれまでと似た計算、かけ算で求めればいいんだな→かけ算しちゃう→え?なんでダメなの?
正答は、2.4÷0.8=3 答え 3kg
□×0.8=2.4 を思い浮かべることができるかが肝となります。
平均や単位量あたりの大きさでひっかかることについて
平均 = ぜんぶの量 ÷ 個数 →平均は「ならした一つあたりの大きさ」を聞いている。よってこの概念が育っていないと理解に時間がかかる。
単位量→一つあたりの大きさを1単位量として考えるやり方。 ここまでくると、普通に理解させるのも一苦労なのに、立式から教えるとなると相当骨が折れる。(現在進行形)
というわけで、かけ算の答えは3×5でも、5×3でも同じです。しかしながら、テストで聞いていたのはそんなことじゃなかった。
「あなたは、一つあたりの量を認識できているかな?いくつ分という考え、倍という概念が育ってきているかな?」
ということを確認するために式を書かせているのです。定義の確認に戻りますが、言語としての式なので文章で答える必要性はありません。
最後に
多くの人がこの問題について考えていることがとても嬉しいです。間違いだとか、正解だ、なんて言うのは後で分かりますが、今教わっていることに対して常に「なんでだろう?」と考えることは、素晴らしいことです。そのおかげで、私も指導要領をもう一度読み直したり、かけ算の考え方について再度おさらいすることができました。
小学校で教わることは、大人になると「もっと簡単な方法があるのに」とか「無駄じゃないのか?」と思われることもあるかもしれませんが、発達段階に応じて、相当な工夫が重ねられたものであることは間違いありません。…かといって、全部が全部正答であるなんてことはあり得ません。常に子どもたちの実態は変化し、研究は進みます。今日このようにまとめたことだって、数年後には「古い教育だ」と言われることだってあります。ただ、言っておきたいのは、テストや教科書には必ず理論や研究に裏打ちされた「意図」が存在しています。まずはそれを紐解いてみるのも、学問への第一歩だと思います。
念押しで別の例を挙げておきましょう。HTMLで非推奨要素であるFONTタグを使おうが、divにidをつけておいてCSSを使おうが、表示される内容はほぼ一緒にできます。…が、意図が前者には見えませんし、使い回しができませんよね。今回だって同じだと思います。理論的な考え方、表現を使いこなせるかどうかは、答えでは無く、式に表れます。式をおろそかにせず、考え方を表現する手段としての存在であると分かれば、式の大切さに気づいてもらえると思います。
とりあえず、半日以上悩んでしまったのですが、今私の示せる考えは以上です。
最後までありがとうございました。
だんだん疲れてきたのでネタ
説明できるところはほぼ説明し尽くした感があるので、もうこれ以上更新できないと思います。
(というかしても反論が無くなることはないでしょう。そういう類のデリケートな問題なんだと今更ながら感じました。)
というわけで、小ネタ。以下は今回のエントリと全く逆を言っていたりします。あくまでもネタです。
1時間目から交換法則を教えたらどうなるか。
先生「はい、ではこれからかけ算の勉強をしていきます。」
児童「はーい!」
先生「まずはじめに、ケーキの数がいくつか、わかるかな?」
児童「12個!」
先生「おっ、すごいね。式はわかるかな?」
児童「4+4+4です!」
先生「素晴らしい!3+3+3+3だね!」
児童「えっ」
先生「えっ」
児童「せんせー、違います。」
先生「何が?だって答え同じだよ?」
児童「えっ」
先生「えっ」
先生「とにかく、同じ数をずっと足し算していると大変だね。まとめて考えられると便利だと思わない?」
児童「思いません。」
先生「えっ」
先生「まぁいいや。かけ算、なんての聞いたことあるかな?同じ数をずっと足し算するときは、かけ算という新しい計算をします。」
児童「かけ算?」
先生「そうだよ。これってすごいんだよ。同じ数を100回足しても、すごく短い式で済んじゃうんだ。」
児童「へぇ、すごい」
先生「なんか驚きが足りなくない?」
児童「えっ」
先生「えっ」
先生「さて、ケーキは4個ずつ3皿だったね。」
児童「そう。だから足し算で4+4+4!」
先生「4を3回足し算したんだね。かけ算では一つ分が4でそれが3つ分だから、4×3っていう風に表すよ。」
児童「なるほど。」
先生「まぁでも、3×4でもいいよ。」
児童「どっちですか?」
先生「別にどっちでも正解。」
児童「困る。」
先生「だって、どっちかにしちゃうとみんなのおうちの人に怒られちゃうし。」
児童「えっ」
先生「いや、だから、中学生になると3xとか、y=ax+bとか、もうかけ算の記号すらなくなっちゃうし。どっちでもいいんだよ。」
児童「意味わかりません。」
先生「いいの、大人になったらわかるよ。」←こうやって逃げるしかない
…うぅむ。こっちのほうがいいのかな…?でも、こりゃ収拾つかなくなるな…。この方法では私には教えられそうにないです…。
これ全然ダメ.最終的に書かれた結果のみから,生徒の思考過程を勝手に判断するなと.3×5より5×3の方が計算し易いから反対にしたという可能性とか,色々有るでしょ. QT @viscuit: 掛け算の順序問題 http://bit.ly/9JB7Pn